LEDを使ってポートレイトを撮ろう!

〜プロから学ぶ撮影術〜      
写真家:福島 裕二
モデル:いのうえ のぞみ


今回は小型LED【Litra】シリーズを使用して行う撮影方法を福島裕二さんにお聞きしてきました!
プロの撮影レシピを3 部作にてご紹介します!!


Part.1 LED を使ってみよう、まずは1 灯


LED ライトはストロボと違って目に見えるということが一番の違い。
目視で確認しながら、
・ どのように光が当たっているのか
・ どこから光を当てるのが効果的なのか
・ モデルの顔の造形を意識して光を当てること
に注意しながらライト位置を決めていく。


Point!!

 

普段、光源を被写体に向けて撮影している人がほとんどだと思います。

ですが、直接光源を被写体に当てるだけではただ明るくしただけになってしまいます。
光源から漏れている光を使うことで影のコントロール、肌のディテールや写真全体の雰囲気
を出すことができます。





ライト設定:60% 3900K

この写真はソファにLitra Pro を伏せて置いている状態。モデルの体や顔の向きを指示しな
がら、漏れている光を利用します。

Part.2 2 灯で面を作る

ライト設定:5% 4100K (2灯とも)
(撮影時カメラのK(ケルビン)で調整している)


ライトを2 灯、上下に設置して面を作ります。
この時も、もちろんライトの位置は被写体の手前に置き、漏れる光を当てていきます。

   


ライトを上下で当てる事で、上から当てた際にできた影を下からのライトで相殺することが
可能です。
さらに下のライトを下げることによってより面を大きくすることで柔らかいライトにしま
す。この時注意することは、広げたライトが対角線になる様に向きを調節していきます。
大きな面になるよう意識することが大切です。

Part.3 ライティングの幅を広げよう

① 逆光ライティング
 







ライト設定:
5% 3900K(メイン)
15% 4100K(逆光)で使用
(撮影時カメラのK(ケルビン)で調整している)


手前に1 灯Litra Pro を置き、一脚につけたLitra Pro を手持ちで後ろから当てていきます。










さらに顔のシャドーを強調させたい場合、三脚の足元あたりに白布(シーツなどなんでも可)

を置きその中にLitra Pro を仕込みます。
目にキャッチライトも入り、瞳も強調されながら逆光と顔のシャドーを強調したバランスが
絶妙です。


Litra シリーズは小型ならではの小回りのよさである。
手持ちなので自分で逆光の位置を調節しながらの撮影が可能です。
一脚の手元にSwitch Pod をつけることでより動かしやすくしています。



② 壁バウンスで朝の光をつくる

ライト設定:15% 4100K(壁バウンス)
5% 4100K(白布)で使用
(撮影時カメラのK(ケルビン)で調整している)



下の白布に仕込んだLitra Pro はそのまま活かして、今度は左の壁に向けてLitra Pro を照射します。

壁にバウンスすることで壁が大きな面光源になり柔らかい光となる。Litra とカメラの色温度を調節することで朝の漏れ出る光のようなライティングになります。
白布に仕込んでいるLitra Pro がしっかりとキャッチライトの役割も果たしています。

LED は目に見えるので短時間でライティングを組み立て、調節することが可能。
まずは自分の目で光のバランスを確かめ、どこをどう見せるかを調節できるようにすること
が大切。(福島)


次回は夜景ポートレイトでの撮影についてお話しします。


福島 裕二 Yuji Fukushima
( 写真家 )



1971年生まれ、長野県出身。写真家の上野勇氏に師事し、97年に独立。2003年に写真事務所ハーベストタイムを設立。人物撮影を軸に、商業撮影、 雑誌など多数の媒体にて活動中。プライベートギャラリー「アトリエ Y」を東京・神宮前と恵比寿にオープンし、さまざまな写真展を展開中

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